JR編~成田線~

江戸っ子に親しまれていた成田山新勝寺を東京と鉄道で結ぶことを目的に作られた成田線は1887年に開業しました。千葉県佐倉市の佐倉駅と銚子市の松岸駅を結ぶ本線と我孫子市の我孫子駅と成田市の成田駅を結ぶ支線、成田駅と成田空港駅を結ぶ支線の3路線で構成されている成田線は、東京や千葉のベッドタウンとして賑わっている我孫子市や佐倉市の移動の要となっている路線です。

成田線について

成田線は、本線と二つの支線からなる鉄道路線です。総武本線佐倉駅から北へ分岐し、成田駅を経て、利根川南岸に沿って再び総武本線との合流駅である松岸駅へ至る本線は、佐倉駅~松岸駅間では総武本線よりも13.4㎞営業キロが長いのが特徴です。空港支線は、成田駅から約2㎞北の地点で本線と分岐し空港第2ビル駅を経て成田空港駅に向かいます。直通の軌道系交通機関がないため「世界一不便な国際空港」と揶揄されていた成田空港の状況をみた当時の運輸大臣である石原慎太郎の“鶴の一声”により、建設中止になっていた成田新幹線の路盤の一部を活用して、1991年3月18日に京成線と同時開業しました。開業当初は成田空港駅のみでしたが、翌1992年12月6日の第2旅客ターミナルビル供用開始に伴い、3日前の12月3日に空港第2ビル駅が開業しました。成田駅から分岐して我孫子駅に至る視線は、本線・空港支線とは区別された名称で呼称される場合もありますが、正式な愛称や通称などはなく、「我孫子支線」が一般的な表記となっています。また、直通する常磐線区間と合せて「常磐・成田線」として括っていることもあります。2001年の我孫子支線全通100周年を機に、一般市民からこの区間の愛称を募集したところ、その中から「成田四季彩線(なりたしきさいせん)」と「水空ライン」の2種類が最終的な候補になり、フジテレビで同年4月6日に放送されたバラエティー番組「プレゼンタイガー」でJR東日本や沿線の関係者、並びに番組審査員4名の立ち合いの下審議し、結果「水空ライン」が採用されました。しかしこの愛称は我孫子市などの沿線自治体当局で使われたのみで、JR東日本ではその後も「水空ライン」とは案内されませんでした。

路線の詳細

  • 管轄・・・東日本旅客鉄道・日本貨物鉄道
  • 路線距離・・・本線(佐倉駅~成田駅~松岸駅):75.4㎞、我孫子支線(我孫子駅~成田駅):32.9㎞、空港支線(成田駅~成田線分岐点):2.1㎞、空港支線(成田線分岐点~成田空港駅):8.7㎞
  • 駅数・・・27駅(成田線所属駅に限定した場合、総武本線所属の佐倉駅・松岸駅と常磐線所属の我孫子駅の3駅が除外され、24駅となる)
  • 軌間・・・1067㎜
  • 複線区間・・・佐倉駅~成田駅~成田線分岐点間:15.2㎞
  • 電化区間・・・全線(直流1500V)
  • 閉塞方式・・・自動閉塞式
  • 最高速度・・・佐倉駅~成田駅間:優等列車120㎞/h・普通列車110㎞/h、成田駅~松岸駅間:85㎞/h、成田駅~成田空港駅間:優等列車130㎞/h・普通列車110㎞/h、我孫子駅~成田駅間:95㎞/h
  • 運転指令所・・・千葉総合指令室

支線ごとの特徴

本線

本線の普通列車は総武本線の千葉駅または銚子駅を始発終着とし、総武本線経由や鹿島線列車と区別する意味合いから総武線内でもこの列車を「成田線の列車」として案内しています。快速列車は総武快速線から千葉駅・総武本線を経て当線に乗り入れます。「エアポート成田」など東京駅を経由して横須賀線に直通する列車も設定されています。主な運用車両は、快速列車がE217系、普通列車が209系です。優等列車では、特急「成田エクスプレス」のE259系、特急「あやめ」のE257系などが使われています。本線を走る大半の列車が東京方面と直通する佐倉駅~成田駅間の成田空港アクセス列車であり、空港連絡鉄道としての役割は非常に重要視されています。成田空港行き快速列車から接続する成田始発の銚子行き普通列車が設定されているように、空港連絡列車中心のダイヤ編成になっています。また長編成の貨物列車もそうこうするため、久住駅~香取駅間の交換設備では線路長を長く取っています。このため、E217系の11両編成も入線が可能です。香取駅から分岐する鹿島線直通列車は、千葉駅発着の列車のほか、成田駅・佐原駅発着の列車が設定されています。かつては鹿島線特急であった「あやめ」は、2004年10月16日に成田線特急「すいごう」を統合し、成田線特急「あやめ」として銚子駅発着便1往復、鹿島神宮駅発着便1往復、成田駅終着便1本の合計下り3本、上り2本が運行されています。いずれも佐原駅~鹿島神宮駅・銚子駅間は普通列車として運行されています。運転間隔は成田駅~佐原駅・香取駅間が1時間あたり1~2本程度、佐原駅・香取駅~松岸駅・銚子駅間が1本程度です。この区間は我孫子支線よりも運転本数が少なく、日中などは佐原駅で列車交換をしたあと、終点の銚子駅まで列車交換なしの列車もあります。千葉駅~佐原駅~銚子駅間の普通列車は最大8両編成、鹿島線直通列車は4両編成で運転されています。

空港支線

成田新幹線の施設を転用し本線に接続してJRの成田国際空港へのアクセス路線としたという経緯があるため、成田駅から本線との分岐点までがJR東日本の第一種鉄道事業区間、そこから先は成田空港高速鉄道の第三種鉄道事業区間となっています。この区間を走る定期列車は、朝夕の通勤時間帯に209系8両編成による普通列車が3往復運行されている以外は特急「成田エクスプレス」と快速「エアポート成田」のみで、いずれの列車も空港第2ビル・成田空港の両駅に停車します。成田駅~成田空港駅間のシャトル運転はなく、全列車がこれらの総武本線直通列車となっています。日中の本数は基本的に成田エクスプレス1~2本、快速1本のダイヤとなっていますが、同じく成田空港に乗り入れる京成線には特急スカイライナーが1~2本、料金不要の形成本線経由の特急が3本、成田スカイアクセス線経由のアクセス特急が1~2本運行されており、JRよりも圧倒的に本数が多いです。また、スカイライナーは成田エクスプレスに比べて料金・運賃が割安なため、京成線を使う空港利用者も少なくありません。

我孫子支線

現在は支線内運転の他、常磐線快速電車が直通運転を行っています。定期列車はすべて普通列車で、途中駅発着の区間列車もなく、全列車が我孫子駅~成田駅間の全区間を通して運転します。線内運転列車のほか、常磐線経由で上の駅まで直通する列車が下り16本・上り17本運行されています。成田駅においては成田空港方面への快速列車との接続が考慮されたダイヤ設定になっています。全線単線で、全駅に列車交換設備があります。車両は常磐線快速電車と共用の直流電車を使用します。このほか、正月には成田山新勝寺への初詣客を乗せた団体専用列車が運行される場合が多いです。沿線では、我孫子市・印西市を中心に住宅が多い上、沿線自治体以外からの需要もありますが、日中毎時2本という本数の少なさから、利用者が路線バスなどで直接常磐線や北総鉄道北総線の駅に流れてしまう傾向にあり、中間駅で乗車人員が多い湖北駅、布佐駅でも4000人程度に留まっています。特に東我孫子駅からは徒歩15分程度の常磐線天王台駅に、湖北駅周辺からは天王台駅。我孫子駅へ高頻度運転されている阪東自動車の路線バスに多くの利用客が流れています。

成田線の魅力

成田空港と東京、成田山新勝寺と東京を結ぶ成田線沿線は、近年住宅地としての開発が進んでいる地域です。比較的新しい住宅も多く住環境がしっかり整えられているため住みやすい街として注目を集めています。また成田線に乗れば、千葉県の主要都市である佐倉市や東京都心にも比較的簡単に行けるのが良い所ですね。また、我孫子市周辺は別荘地としても人気が高いエリアで、美しい田園風景を見ることが出来ます。長閑で情緒あふれる成田線沿線は、住むのにはとても居心地の良い街なのではないかなと思います。車窓から見える景色は何の変哲もない、普通の長閑な住宅街ですが、どこか安心するような、例えるなら「クレヨンしんちゃん」や「ドラえもん」を見ている時の気持ちに似た、懐かしい気持ちに慣れる沿線です。