私鉄編~いすみ鉄道いすみ線~

黄色い車体がかわいいいすみ鉄道いすみ線。房総半島を横断するこの私鉄も赤字経営に苦しむ鉄道で、社長を公募したり、運転手の育成を募集したり、ムーミン列車を走らせたりと様々な努力を行っていることが話題になっています。千葉の野山をのんびり走るこの列車は私のお気に入りです。癒しを求めて旅をする方にはピッタリの路線だと思います。

いすみ鉄道いすみ線について

いすみ鉄道いすみ線は、千葉県いすみ市の大原駅から、夷隅郡大多喜町の上総中野駅までを結ぶいすみ鉄道の鉄道路線です。旧国鉄の特定地方交通線である東日本旅客鉄道の木原線を引き継いで運行しています。外房線大原駅から分岐して、房総半島東側から内陸部に入り、上総中野駅で接続する小湊鉄道線とあわせて半島横断線を形成しています。国吉~総元間付近では夷隅川に沿って敷設されていて、美しい風景を眺めることが出来ます。開業以来慢性的な赤字に悩まされ続けており、存続の危機に瀕していました。2007年10月29日に行われたいすみ鉄道再生会議で、2009年度までの2年間は終始検証期間として存続する方針が決定され、2009年度の決算で収支の改善が見込めない場合は廃止を前提に代替交通を検討することになりました。いすみ鉄道は増便。駅の命名権売却・新駅開設など、経営改善策・乗客獲得策を打ち出します。その結果、経営状況の回復が認められ、2010年8月6日にいすみ鉄道線の存続が決定しました。

路線の詳細

  • 路線距離・・・26.8㎞
  • 軌間・・・1067㎜
  • 駅数・・・14駅(起終点駅含む)
  • 複線区間・・・全線単線
  • 電化区間・・・全線非電化
  • 閉塞方式・・・特殊自動閉塞式(電子符号照査式)

いすみ線の運行

平日はすべての列車が普通列車で、土休日には普通列車のほかキハ52・28形を使用した観光急行列車や快速が運転されています。全線通し運転の列車のほか、大原駅~大多喜駅・大多喜駅~上総中野駅間の区間列車が運転されています。ワンマン運転で、ほぼ毎時1本の運行となっています。不定期列車や学校春休み期間運行の列車もあります。車両の夜間滞泊は大多喜駅のみで行っています。国鉄時代は大原発の最終が夜10時台で、2013年3月16日現在のダイヤよりも約1時間遅く、夜間滞泊は上総中野駅で行っていました。2011年4月29日からは、主に土休日に大多喜駅~大原駅間で西日本旅客鉄道から譲渡された気動車キハ52 125による「観光急行列車」が運転されています。乗車の際は急行券が必要で、大原駅、上総東駅、国吉駅、城見ヶ丘駅、大多喜駅に停車します。2013年3月からはJR西日本から譲渡されたキハ28 2346の連結を開始しました。また、土休日朝に大多喜駅大原駅行き快速が1本、急行と同じ停車駅で運転されています。

赤字と存廃問題

木原線が第三セクター化されて以降、長年にわたっていすみ鉄道は赤字経営が続いており、2006年度で約1億2700万円の赤字を出してしまいました。そこで、千葉県をはじめとする地元自治体などによって結成された「いすみ鉄道再生会議」は、「2008年からの2年間は収支検証期間として鉄道を存続させるが、2009年度決算でも収支の改善見込みが立たない場合、鉄道の廃止も検討する」ことを取り決めました。このため、経営立て直しを図って2007年12月から社長を一般公募し、翌2008年2月に千葉県のバス会社平和交通社長の吉田平に内定し、同年3月26日の臨時株主総会と取締役会で正式決定し、4月に就任しました。そして2009年2月、吉田が千葉県知事選挙への出馬と社長辞任を発表したため、同年5月4日に社長の再公募を発表し、6月1日、123人の公募の中から元ブリティッシュ・エアウェイズ旅客運航部長の鳥塚亮が内定し、同月28日に開かれた株主総会と取締役会を経て代表取締役社長に就任しました。

様々な経営努力

2008年には、オリジナル開発商品の「い鉄揚げ」の販売を開始しました。ホタルウォッチング列車の運転も2008年から開始されています。2009年には、「房総のけむり饅頭」の販売を開始するとともに「い鉄揚げ」の「カレー味」と「かりんとう味」を追加、同年10月からはムーミンをあしらった列車の運行を開始しています。また、同年10月以降、大原、国吉、大多喜の各駅に直営店を開店し、ウェブショップも開設しました。2010年3月4日には、訓練費700万円を採用時に自己負担することを条件に列車運転免許を取得できるという運転士養成プランを発表しました。同プランに基づき40代から50代の男性4名が採用されました。その後、4人はディーゼル列車の運転資格である国土交通省の「動力車操縦資格試験に合格し、2012年夏より単独乗務しています。こうした経営努力の結果、同年8月6日に鉄道の存続が決定しました。その後、2011年3月期決算では売店業などの伸びによって売上高が前期比58.1%増になるなど、経営状況が改善されるきざしも見え始めています。

いすみ鉄道の魅力

いすみ鉄道は都心からもすぐに行けて、古き良きローカル線を満喫できる路線として大変人気があります。沿線の風景は長閑な野山で、春には桜と菜の花が咲き乱れてとても綺麗です。ディーゼルカーというところにも魅力を感じますね。昭和感漂う車両にコトコト揺られながら、のんびりと景色を楽しむのがいいと思います。黄色い車両は、周りの野山の深緑にとても美しく映えるので、写真を撮影している人も沿線の各所で見られます。また、こういったローカル線には珍しく、駅の売店が充実しているのもポイントが高いです。特に国吉駅には充実のラインナップのムーミンショップがあり、ムーミン好きにはたまらないスポットとなっています。なぜムーミンなのかというと、このあたりの風景がムーミン谷の風景に似ているからなのだそうです。ムーミンラッピングの車両も走っているので、ぜひとも乗ってみたいですね。また、いすみ鉄道のお土産として人気なのが「い鉄揚げ」です。これは、千葉の名物である「ぬれ煎餅」を揚げたお煎餅で、カリッとしているのに中はもちっとしているという不思議で美味しい食感を楽しむことができます。カレー味やかりんとう味もあるのでいすみ鉄道を利用した際にはぜひとも食べてみてください。