私鉄編~小湊鉄道~

内房線と外房線がセットで房総半島を一周するように、いすみ鉄道と小湊鉄道はセットで房総半島を横断できる鉄道路線となっています。いすみ鉄道と同じくディーゼルカーで、由緒正しきローカル線と言った雰囲気が小湊鉄道にはあります。どこか自分の実家に似ているような、そんな温かみと懐かしさを持つ小湊鉄道は、心癒されること間違いなしのローカル線です。

小湊鉄道線について

小湊鉄道は、千葉県市原市の五井駅から夷隅郡大多喜町の上総中野駅までを結ぶ鉄道路線です。路線の大半が市原市内に属しています。非電化・単線の路線で近代化されていないため、首都圏にありながら駅舎や車両など古くからの雰囲気を残しているのが特徴です。そのため近年ではテレビコマーシャルやテレビドラマ、カラオケなどの撮影で使用されることも少なくありません。1990年代後半からの10年間で業客が急減し、2000年代に入ってからも、多少減少幅が緩やかになったものの乗客は減少傾向にあります。合理化により、2000年以降では2002年に里見駅、2005年に上総山田駅が無人駅となりました。上総村上駅・海士有木駅・上総三又駅・馬立駅の各駅は曜日・時間を限って営業をしていましたが、2013年から無人駅となり自動券売機が置かれました。2002年に一度無人駅となった里見駅は、交換設備の使用再開に伴って再び駅員が配置され有人駅となりました。無人駅から乗車券を持たずに乗車した旅客には、車掌が車内で切符を発売します。女性を積極的に採用しており、車内で精算業務を行う若い女性の車掌が10名弱勤務しているほか、一部の江木では女性係員が勤務しています。2007年には女性運転士も誕生しました。国土交通省関東運輸局の業務監査報告書によれば、将来ワンマン運転を実施する予定となっていますが、実施時期は未定となっています。小湊鉄道線には電鈴踏切が残っています。また、安全対策が遅れていて、警報機・遮断機なしの第4種踏切が51ヶ所残っています。いすみ鉄道いすみ線との乗り換え駅である上総中野駅では、両線の線路が繋がっており、相互乗り入れの話が出ています。しかし、両社ともに消極的で今日まで実現はしていません。旅客流動上も相互乗り入れのメリットは極めて薄いとされていますが、逸見鉄道の現職社長・鳥塚亮は小湊鉄道との乗り入れに意欲的な姿勢を示しています。

運営会社「小湊鉄道」について

小湊鉄道株式会社は、千葉県に鉄道とバスの路線を有する会社です。鉄道事業の他に路線バス、観光バス事業も展開しており、鉄道事業よりもバス事業の方が高い収益を上げています。バス事業は太平洋戦争下で行われた陸運統制令に伴う戦時統合により、房総半島の木更津~勝浦以北のバス会社を袖ヶ浦自動車が統合し、さらに小湊が同社を合併したことから始まりました。かつてはタクシー事業も直営で行っていたのですが1986年に分社化されました。京成電鉄の持分法適用関連会社として形成グループに名を連ねていますが、事実上独立し、小湊グループを形成しています。そのため、観光・高速バスのカラーリングもKaNaCカラーではなく、小湊・九十九里系各社では形成グループの統一ロゴ「K'SEI GROUP」も使用していません。また観光バスツアーも「Kanacツアー」ではなく、独自の「赤とんぼツアー」を展開しています。小湊鉄道はもともと安田財閥に所属し形成とは無関係でしたが、戦時中の当局の勧奨により株式の大半が京成電鉄に買収され、京成電鉄の系列会社となったものです。しかし1970年代に京成電鉄が経営危機に陥り、資産整理のため持株が放出された結果、九十九里鉄道が小湊鉄道株を、また小湊鉄道が同社社長名義で九十九里鉄道株を持つ形態になり、京成電鉄の出資割合は大幅に下がっています。2005年3月31日時点では九十九里鉄道が49.90%、京成電鉄が30.00%の株式を保有していたのですが、2007年3月期に京成電鉄の株式11.00%を九十九里鉄道が取得するなどした結果、2008年3月31日時点では九十九里鉄道が63.95%の株式を保有するに至っています。

路線の詳細

  • 路線距離・・・39.1㎞
  • 軌間・・・1067㎜
  • 駅数・・・18駅(起終点駅含む)
  • 複線区間・・・全線単線
  • 電化区間・・・全線非電化
  • 閉塞方式・・・自動閉塞式(五井~上総牛久間)、票券閉塞式(上総牛久~里見間)、スタフ閉塞式(里見~上総中野間)

小湊鉄道線の運行

全区間で平日ダイヤと休日ダイヤが異なっています。運転頻度は五井~上総牛久間はラッシュ時が1時間に2~3本、日中は1時間に1~2本です。上総牛久~上総中野駅間は1日を通して2時間に1本程度となっています。五井~上総牛久間の区間列車が半数以上を占め、養老渓谷・上総中野まで到達する列車は少ないです。特に、養老渓谷~上総中野間は平日1日6往復、休日1日7往復で、千葉県内では最も列車の本数の少ない区間となっています。データイムは1~2両、朝夕ラッシュ時が2~3両で運転されています。使用車両は全列車がキハ200形です。五井~上総牛久間は、千葉・東京方面への通勤・通学客が多いです。上総牛久~上総中野間は観光客が主な乗客です。養老渓谷でイベントが開催される時期や、高滝の花火大会の際は増発・増結がなされます。

小湊鉄道の魅力

ベージュと赤の丸っこいレトロな車両がかわいい小湊鉄道。上総中野駅でいすみ鉄道に乗り換えることができ、この2線で房総半島を横断することが出来ます。小湊鉄道の魅力は、レトロ感です。どこの駅舎も古く、味わい深い木造の建物になっていて見応えがあります。地元の方からすれば、木造の駅舎など古くてぼろなだけだと思われるかもしれませんが、やはり普段コンクリートで固められ、人でごった返す駅を使用している私からすると、こういう誰もいないような静かな駅はとても魅力的です。他のローカル線が列車のワンマン運転化や駅の無人化を進めるなかで、小湊鉄道は車掌が乗務し、利用者数の割には有人駅が多い事も魅力の一つだと思います。やはり人と人との触れ合いは温かみを感じますね。そんな小湊鉄道も近年では駅の無人化が進んでおり、将来はやはりワンマン運転になる方向だとの事。あの昔ながらの風景を見られなくなるのは淋しいことですが、それも時代の流れなのでしょう。ぜひとも車掌さんがいるうちにもう一度乗りたい列車です。