私鉄編~芝山鉄道~

日本一短い鉄道として知られる芝山鉄道は、なんとたったの2駅しかない路線です。本当はもっと伸びるはずだったのに途中で頓挫していることや、成田空港のための路線だったのに成田線が出来てしまってこちらを使う人がほとんどいないことから、近未来の廃墟を冒険するゲームの主人公のような気持ちを味わえるという珍しい路線です。今までの長閑な風景が売りの路線とは真逆の都会的なところが、この路線の魅力です。

芝山鉄道について

芝山鉄道は千葉県の成田国際空港付近に路線を有する第三セクター方式の鉄道会社です。この鉄道会社は、成田空港が設置されることにより、通行が分断されてしまうなどのデメリットを受ける空港東側地域への補償のため、国が建設を約束した鉄道でした。会社設立は1981年5月1日で、1988年6月24日に京成電鉄成田空港駅(現在の東成田駅)~整備場前間の事業免許を取得しました。当初は小型電車で線内折り返し運転を計画していたのですが、地元からの要望で通常の大型車両で京成成田まで片乗り入れ直通運転することとし、1990年12月25日に工事施工認可されました。なお、1991年3月19日には現在の成田空港駅が開業し、免許取得時の同駅は東成田駅に改称しました。着工は遅れましたが、隅谷調査団の主催で1993年9月20日から12回に亘って開催された成田空港問題円卓会議で、今後の成田空港の整備を民主的手続きで進めていくことが約束され、建設が具体化しました。1996年12月27日には、京成電鉄との相互直通運転に運転計画の変更が認可され、1998年1月22日に着工しました。その後、2000年6月20日に未買収地を迂回するルートの一部変更が認可され、2001年4月26日に仮称であった「整備場前駅」の正式駅名を「芝山千代田駅」と決定し、2002年10月27日に「東成田駅~芝山千代田駅」間が開業しました。この二駅間は2.2㎞しかなく、普通鉄道のみを保有する鉄道会社の中では、日本一保有する線路が短いことになります。将来、芝山町中心部を経由して九十九里海岸方面への延伸も検討されていますが、いつになるかは全くの未定です。

路線の詳細

  • 路線距離・・・2.2㎞(うち、1295mがトンネル部)
  • 軌間・・・1435mm
  • 複線区間・・・なし(全線単線)
  • 電化区間・・・全線(直流1500V)
  • 閉塞方式・・・自動閉塞式

芝山鉄道の運行

全列車が形成電鉄と相互直通運転を行っています。運転業務は京成に委託しており、東成田駅で乗務員交代は行われず運転士・車掌とも京成の乗務員が芝山鉄道線内も乗務します。ラッシュ時などには京成・都営浅草線との相互直通運転を行います。日中は40分サイクルで京成成田~芝山千代田間を1編成が往復する形となっています。所要時間は京成成田~芝山千代田間が約10分、東成田~芝山千代田間は約4分です。なお、東成田~芝山千代田間の成田市木の根付近では、空港建設反対派の用地を通過する計画だったため、地権者の同意が得られず、最終的にルートを変更してこの用地を迂回することとなったため、迂回区間は半径160mの急カーブとなっています。この区間は運行の安全確保上35㎞/hで運行するため、所要時間が当初の予定より1分長くなりました。

警察官の警乗

芝浦鉄道の路線内を走行する列車には警察官が警乗しています。これは反社会勢力によるテロを警戒しているためです。このような運営をすることになった要因には「国が地元利益を無視して一方的に空港建設を強行した」とする成田空港建設反対運動があります。空港建設反対運動に過激派が加わったため、テロ行為による被害が成田空港だけでなく京成電鉄にも及んでいました。2013年時点では、他の反社会勢力のテロ活動を警戒しなければならない状況となっています。

乗車料金

全線で大人200円、小児100円となっています。芝山鉄道はPASMOに加盟していないため、PASMOやSuicaなどのIC乗車券が利用できません。京成電鉄管轄の東成田駅は、IC乗車券対応の自動改札機がありますが、芝山千代田駅がIC乗車券に対応していないため、実質芝山鉄道を利用する際には、磁気式定期券か切符が必要になります。

芝山鉄道の魅力

たった二駅しかない芝山鉄道は、芝山千代田駅付近を除き、路線の大部分が成田国際空港の地下を走っています。ですからほとんど景色を楽しむことはできません。また、乗車時間も4分と短いので楽しむ余裕もありません。では何が魅力なのかというと、近未来感と廃墟感が魅力だと思います。まず、芝山鉄道に乗るには東成田駅に行かねばなりません。東成田駅のホームは成田空港駅・空港第二ビル駅が出来るまでは成田空港への最寄り駅だったためか、とても広く作られています。ですがほとんど利用者がいないためか、とても静かでちょっと埃っぽく、倉庫のような印象を受けます。現在使われていない向かい側のホームには「なりたくうこう」の文字もあり、廃墟っぽさが満載です。使われている方のホームにはエスカレーターが2つありますが、可動しているのは1つだけです。ホームは地下にあり、地上の出口へ行く途中には、空港第二ビル駅に繋がる通路があります。無機質なコンクリートのこの通路は、なんと全長500m。地下なので外の景色が見えるわけでもなく、壁に絵が描かれているわけでもないので1人で歩くのはちょっと怖いですね。また、ホームは以前使われていたと思しき売店や階段など至るところにフェンスが貼られて侵入出来ないようになっていて、それもまた廃墟っぽくて素敵です。コンコースも広く作られていますが、ほとんど人はおらずがらんとしています。さて、肝心の電車ですが、車両自体は京成線と直通運転しているのでなんの変哲もないものです。ですが途中に急カーブがあったり、地下なのに踏切の音が聞こえてきたりと中々不気味です。たった4分の乗車で、終点芝山千代田に付きます。この駅は地上になっているので明るく、東成田のような廃墟感はありません。駅舎自体はとても綺麗なのですが、周りはとても静かで閑散としています。また、延長する予定の線路の終りの部分も見ることができ、面白いです。このようにちょっと近未来で廃墟っぽい芝山鉄道は、雰囲気があって楽しいので、時間がある時には乗ってみてください。